生活者として綱を引く 2025
はじめに
2023 年、2024 年、2025 年と、満職(フルタイムの労働)を避ける生活をやっていて、気付けば丸 3 年が経過しようとしている。
2023 年は無職の完全体としてスタートして、2024 年には「少しは働く」という微職の状態になり、2025 年の年末を迎えた今は、フルタイムを 100 とすると 70 〜 80 くらいの労働状況には、なんやかんやで満職に近付いてきた。
生活者の自分とビジネスパーソンの自分が綱引きをしているような状態で、今年は、ビジネスパーソンの自分が綱を引く力が少し強かった。
1 月、2 月、3 月
小学校でのボランディア活動の締めの時期。終業式の日のことは強烈に印象に残っている。
(132) 小学校の終業式に参加してきたよ - 純朴声活 - LISTEN
もっともよくしてくれていた友人たちは、今は小学校 5 年生か。元気にしていてほしいな。思い返していたら会いたくなってきた。
4 月、5 月、6 月
お引っ越しの準備を進めて、お引っ越しして、新生活が始まった。カウントダウン大阪である。松本で小学校に関わってみたらとてもよかったので、新しい地でも「近所でやっているなにかにふらっと参加する」を実践してみようと思っていたら、ダンス教室があったので試してみることに。これを書いている 2025-12-20 にもダンスのレッスンがあって、今日まで楽しく続いている。
太陽の塔はめちゃくちゃいいってことがわかった。
https://gyazo.com/4d660447123947c5a698de58b9c3e000
LISTEN の開発チームの仲間に入れてもらったのは春頃で、5 月くらいには開発タスクを進行するようになっていた。
7 月、8 月、9 月
Claude Code を使った Agentic Coding が楽しくなりすぎて、おそらく中毒に近かったと思う。とにかく暑すぎて外に出る気にならなかったので、大阪という未知の場所に住みながらも、大半の時間を自宅で過ごしていた。
新しいソフトウェア開発体験が楽しすぎて、自分用の雑なツールを作っては捨て作っては捨て、と遊んでいて、この夏には 10 個くらいのちょっとしたツールを作った。
LISTEN に採用されている技術は触ったことのないものがほとんどで、ぼくが徒手空拳で挑んだ場合と比べると、Claude Code 等の道具を使った場合では軽く数倍のパフォーマンスが出ていたと思う。おもしろい時代を生きている。
10 月、11 月、12 月
Agentic Coding への熱がやや落ち着き、大気の暑さも落ち着いて、せっかく大阪に住んでいるんだからもっと出かけよう、と正気を取り戻しつつある。妻と天橋立に遊びに行けたのはよかったな。
綱引き
ソフトウェアで遊んでいるときは楽しいんだなあ、とあらためて自覚して。ぼくが 20 年間くらいプレイしているソフトウェア開発という MMORPG に大型アップデートがきた年だったので、新要素を探索していったらずいぶんと楽しかった。
ぼくの場合は、それは労働にも接続している領域だからさ、気付いたらじわじわと微職から満職へと近付きつつあって、ひえ〜となった。気を抜くとビジネスパーソンの人格がぼくの日々の中のシェアを伸ばしてくる。引力があるんかねえ、地面にまっすぐ立つと労働に引っ張られていく。
そのことに気付いていたから、2023 年からの「少ししか働かないぞ」モードを実践していたのかもね。
扱う言語
満職をやっていた時期の自分は「言語化は大事」「ちゃんと言語化しないと」と、けっこうピュアに考えていた。周囲にそれを求めることもあっただろう。これはけっこう、ビジネスパーソンに染まり切っていたなあと思う。
小学生の友人たちと接するときには事情がぜんぜんちがっていて、休み時間にいっしょに鬼ごっこで遊ぶことの方が大事だったりもする。もちろん日本語を用いたコミュニケーションもするが、同じ日本語でも、彼女ら彼らの形成する文脈の上で使う日本語なので、頭の使い方はまるきりちがう。
Agentic Coding を実践するようになって、ソフトウェア開発に取り組むときの言語は、プログラミング言語から自然言語に重心を移していった。今年は日本語でソフトウェア開発を展開していくことになったメモリアルな年だ。
ダンスにもまた、身体表現から成る言語的な要素がある。漫画『ワンダンス』を読んで強くそう感じるようになったし、こういうことに興味を持たせてくれたのは BMSG 所属のアーティストたちで、中でも MAZZEL には楽しませてもらった。去年までの自分には「ダンス」と「言語」を結びつけて捉える視点がなかったので、これも今年に得たものだ。
満職時期の自分は「言語化は大事」と主張しながらも、そこで指している言語の範囲がかなり狭かった。言語のことをぜんぜんわかっていないくせに「言語化は大事」と主張していたので、視野が狭くて恥ずかしい状態だったと思う。
おわりに
ぼくは労働は好きだし、ソフトウェア開発でお金を稼ぐときは「楽しいことをやって、お金ももらえて、なんかラッキー」って感じなので、ことさら労働を悪く言うつもりはないのだけれど。それでも、自分は労働ばかりやっていると視野が狭くなって凡庸になっていくタイプだと自認しているので、意識的に労働じゃないことを増やしていきたい。
労働の引力は想定よりも強そうだった。引き続き、生活者として強く綱を引いていこう。
これは 2025 Advent Calendar 2025 - Adventar の 2025-12-20 担当分でした。きのうは yomoyomo さんの ベスト・オブ・2025――2025年の10枚 #2025AC2025 - YAMDAS現更新履歴 で、ひよ子の話がおもしろくて笑ってしまいました。明日は平文さんが担当してくれます。
今年も企画してくれた taizooo さんには格別の感謝を。こうして年末に労働とは一切無縁の取り組みでごいっしょできることを、心からうれしく思っています。